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激戦・津市「国葬反対8割大陸」投稿の小林氏落選 自民公認得られず


 9日に投開票された三重県議選(定数48)は、自民21人▽旧民進党系の「新政みえ」が21人▽公明2人▽共産1人▽地域政党「草の根運動いが」1人▽無所属2人――が当選した。改選前最大会派の新政みえは、擁立した21人全員が当選し、改選前から1議席増やした。25人を公認して過半数獲得を目指した自民は、伊賀市や伊勢市・鳥羽市の現職ら4人が敗れ、21人当選にとどまる厳しい結果となった。最大会派は今後の協議に委ねられ、勢力争いが過熱しそうだ。投開票から一夜明けた10日、県庁で各党派代表らが記者会見し、選挙戦を振り返った。【朝比奈由佳、寺原多恵子】

自民うなだれ「甘かった」

 21人の全員当選で、勢力維持の「最低ライン」に踏みとどまった。新政みえは告示前の候補者擁立段階では、目標とした過半数(24人)を立てられず苦戦したが、旧民進党系と連合三重などが一体でフル稼働した。

 鈴鹿市では最後の1議席を巡り、自民新人に競り勝った。選対委員長を務めた稲垣昭義氏は、「新政みえが地盤の北勢地域で県議が数を減らせば痛手だった。鈴鹿と四日市で、それぞれ3議席を獲得できたのは大きい」と安堵(あんど)した。

 立憲民主党県連の中川正春代表は、「全国的に野党が厳しい戦いを強いられたが、三重では立憲や国民民主、連合三重が一つになって戦うことができた」と勝因を分析。次期衆院選に向けては、「政権に挑戦する政党としての期待感を醸成できるよう、戦う体制をつくり、新しい人材を発掘する」と述べた。

 自民は、21年衆院選や19、22年の参院選の勝利を、県議選の追い風にはできなかった。党県連の津田健児幹事長は「ホップ・ステップ・ジャンプで勢いを駆って過半数を目指したが、考えが甘かった」とうなだれた。

 伊賀市選挙区や、伊勢市・鳥羽市で現職が議席を失った。津市と、12年ぶりの2議席獲得を狙って擁立した鈴鹿市では新人が落選。「自民党にとって厳しい結果だ。四日市で自民党で3議席を守ることができたことだけが自民党の勝利であり、救いだ」と述べた。

 選挙戦では、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)問題も問われた。県内では与野党を問わず政治家との関係が明らかになったが、津田氏は「政権与党としてより強い影響を選挙戦で感じた」と述べた。小林貴虎氏(49)のツイッター投稿問題も、小林氏の津市選挙区内に限らず影響があったとした。

 公明党県本部の中川康洋代表は、津市と四日市市で公認候補2人がいずれも上位で当選した。「今後も自公連携で選挙や政策をやっていきたい」と語った。

 共産は四日市市で現職が約400票差に泣いた。一方、津市で擁立した新人が、県議選で史上最年少の25歳での当選を決めた。党県委員会の大嶽隆司委員長は「これまでの支持層とは異なる有権者から好意的な感触を得た。新しい時代を切り開けたのではないか」と語った。

 地域政党「草の根運動いが」は、定数1減で現職3人が争う激戦を制した。稲森稔尚代表は「選挙区の定数削減の問題は伊賀市の切り捨てであることを訴え続け、怒りの一票を託してもらった」と振り返った。大阪で強固な地盤を誇る日本維新の会や、桑名市・桑名郡と松阪市で候補を擁立した参政党も、県議会で初の議席獲得はならなかった。

保守票分散で自民の議席減

 津市は、安倍晋三元首相の国葬に関し「反対のSNS発信の8割が隣の大陸からだった」などとツイッターに投稿して問題となった小林貴虎氏(49)が再選を目指したがかなわなかった。小林氏は敗戦後、問題が選挙結果に与えた影響について「わかりません」と答えた。

 津市の事務所では9日午後11時すぎ、小林氏の落選が濃厚となると重苦しい空気に包まれた。集まった支援者に「不徳の致すところ。全て私の責任です」と頭を下げた。

 小林氏は昨年10月、問題の書き込みを高市早苗・経済安全保障担当相の講演を基にしたと説明したが、その後「事実と異なる部分がある」と謝罪し、投稿を撤回した。新政みえなどが辞職勧告決議案を提出したが1票差で否決された。小林氏は「県議選で県民の信を問う」として再選を目指したが、小林氏とは「同じ自民として戦えない」との声が県連内に根強く、自民公認を得られず無所属で出馬した。

 小林氏の出馬で保守票が分散し、自民は厳しい戦いを強いられた。現職1人に新人2人を擁立して現有3議席維持を目指した。公認を逃した小林氏もポスターなどで「自民党津市支部長」の肩書を強調。結局、津市議から転身を図った新人が落選し、自民は現有3議席から2議席に減らした。

 津市は、新政みえ系の現職3人と公明現職が手堅く議席を守った。共産は前回失った議席を奪還した。【朝比奈由佳、原諒馬】

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