近畿大（東大阪市）の2年生だった登森勇斗（ともりはやと）さん（当時20歳）が2017年、テニスサークルの飲み会で一気飲みした後に急死した事故を巡り、両親が飲み会に参加した当時の学生ら18人に計約1億500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、大阪地裁（達野ゆき裁判長）は31日、うち16人の元学生に賠償を命じた。
両親は大学も訴えていたが、双方は17日に地裁で和解が成立。近大は弔意を示し、再発防止策の徹底を約束した。
訴状によると、登森さんは17年12月、東大阪市内で開かれたサークルの飲み会に初めて参加。多量のビールやウオッカの一気飲みで意識を失い、翌朝になって病院に搬送されたが亡くなった。
両親側は、元学生らが「コール」と呼ばれるかけ声で短時間に多量の飲酒を強要し、急性アルコール中毒に陥らせたと主張。体調急変後も救急車を呼ばず、適切な対応を怠ったことが死亡の原因だったとして18人の責任を訴えた。
18人は飲み会に参加していた当時2、3年生の10人と、「介抱役」として飲み会後に駆けつけた2年生の8人。学生側は飲酒の強要はなかったとしたうえで、医学的な知識もなく中毒症状の危険性を認識することは不可能だったと反論していた。
事故を巡っては、先に帰宅した参加者を除く12人が保護責任者遺棄致死の疑いで書類送検され、このうち9人が過失致死罪で罰金30万～50万円の略式命令を受けた。【山本康介】
