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自転車ヘルメット着用、悩む統一選候補 「ポスターと違うかも」


 自転車に乗る際の大人のヘルメット着用が4月1日から義務化される。違反しても罰則がない「努力義務」だが、思わぬあおりを受ける人々がいた--。

 「やっぱり公人たるもの、法令順守せんといかんかなって」。3月下旬、福岡市議の男性は覚悟を決めた表情で語った。

 同31日告示の統一地方選前半戦で行われる同市議選(定数62)は、7選挙区で争われる。国政選挙や知事選などと比べ、同市議選の各選挙区は狭いため、一部の候補者は選挙中、自転車で細かい路地などに入って有権者に顔を売ることもある。そこで浮上したのが「ヘルメット着用問題」だった。

 男性市議は「ヘルメットを着けずに有権者などから後ろ指を指されるのは避けたい」と約5000円のヘルメットを量販店で購入。テーマカラーの青色にしたかったが、店頭では品薄だったので白色を選んだという。市議は「自宅で着けてみたら子供たちに爆笑された」と苦笑いしたが、4月1日からはヘルメットをかぶり、住宅街では街宣車の後ろから自転車で追いかけながら回るつもりだという。

 選挙戦は、新型コロナウイルス対策のマスク着用が「個人の判断が基本」とされて迎える。ようやくマスクなしで選挙活動をできるが、自転車でも活動する現職市議の間では不安も尽きない。「ヘルメットをかぶったら、ポスターの写真と違うかもしれないので、認識してもらえなくなるのでは」「一度かぶるとセットした髪形が崩れる」「他の候補は着けず、自分だけだったらどうしよう」などの声が上がっていたという。

 福岡市選挙管理委員会によると、選挙中、自転車は移動手段として認められているが、運転しながらの名前の連呼などは認められていない。自転車に候補者名を書いたのぼり旗を立てたりすることは、公職選挙法の「文書図画の掲示」に当たり、一定の制限がある。そのため選挙運動と明らかに分かるように候補者名などをヘルメットに記載すると同法に抵触する可能性があるという。市選管は「もし写真などでそうした選挙活動を確認できたら指導するかもしれない」としている。

 一方、同市防犯・交通安全課は、県や県警とヘルメット着用の周知に取り組む。しかし市民や候補者も「ヘルメットをかぶらずに乗車している人を停車させてまで指導するのは難しい」(同課担当者)のが現状だ。選挙中の候補者のヘルメット着用は、候補者の良識に委ねられそうだ。【野間口陽】

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