starthome-logo 無料ゲーム
starthome-logo

皆で見守って イヌワシの巣をライブ配信 保護の意識育む 滋賀


 絶滅の危機にひんするイヌワシを保護する意識を高めてもらおうと、滋賀県米原市は市内にある伊吹山に生息するイヌワシのつがいの巣を「無人リモートカメラ」で映したライブ映像の公開を始めた。野生するイヌワシの巣のライブ配信は日本初。同市役所本庁舎3階の市民交流エリアに設置されたモニターで見ることができ、4月からは市のホームページや伊吹山文化資料館でも配信される。

 撮影や配信は野生動物の調査研究を行う会社「イーグレット・オフィス」(同市下板並)が担う。代表取締役の須藤一成さん(62)が、2021年に企画し、繁殖期に向けて準備してきた。ライブ映像は、イヌワシの飛行コースや止まる場所、地形などを考慮した上でイヌワシに影響を与えないように設置した「無人リモートカメラ」で撮影している。

 イヌワシは両翼2メートル程度の大型の猛きん類で、環境省が指定する絶滅危惧種。日本には500~600羽程度が生息しているとされ、伊吹山には一組のつがいがいる。

 現在イヌワシは、2月27日に産んだ卵を抱いている状況で、岩陰に作られた巣の中で、時々鳴き声を上げたり、1日に2回程度、雌と雄が抱卵を交代したりする様子などが見られる。順調に経過すれば4月半ばにふ化し、6月下旬から7月初めごろに巣立つという。

 市によると、伊吹山では近年、一部野鳥ファンが写真を撮ろうとイヌワシの巣に近づき過ぎて親鳥が巣に戻れなくなったり、鹿の死体を持ち込んで餌付けを試みたりするなどの違法行為やマナー違反が増え、生息環境が脅かされている。ライブカメラの設置で巣の周辺を監視できることや多くの人による「リモート見守り」効果で、撮影マナー向上や違法行為の抑制にもなるとしている。

 須藤さんは「営巣地を見せることに葛藤はあったが、伊吹山のイヌワシは全国的に知られており、隠して守れる状況ではない。みんなで見守りながら保護していけたらと考えている」と話した。【長谷川隆広】

    Loading...
    アクセスランキング
    starthome_osusumegame_banner
    Starthome

    StartHomeカテゴリー

    Copyright 2024
    ©KINGSOFT JAPAN INC. ALL RIGHTS RESERVED.