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大阪市に絶縁されたはずが…米サンフランシスコ市HPに意外な事実


 米国の西海岸にあるサンフランシスコ市。大阪市とは姉妹都市として半世紀以上にわたり交流を続けてきたが、友好関係は5年前にピリオドが打たれた。旧日本軍の従軍慰安婦を象徴する少女像の設置を巡り、こじれてしまったからだ。両市の関係は修復困難なのか。サンフランシスコ市を取材すると、意外な反応が返ってきた。

10年前の慰安婦問題がきっかけ

 関係悪化は2013年にさかのぼる。当時の橋下徹市長が旧日本軍の従軍慰安婦について「当時は必要だった」などと発言し、米国内でも批判が高まった。そして15年、サンフランシスコ市で少女像や碑を設置する動きが出ると、今度は大阪市側が反発した。当時の吉村洋文市長が碑文の「数十万人の女性が性奴隷にされた」との表現を「不確かで一方的」と問題視。市民団体が建てた少女像をサンフランシスコ市が公有化したことに憤慨し、18年10月に「信頼関係は破壊された」と姉妹都市関係を解消する通知文を送った。

 これが政治判断で関係が断絶するまでの一部始終だ。両市は1957年に姉妹都市関係を結んで以降、市幹部や議員の表敬訪問をしてきたが、行政間の交流はぱったりと途絶えた。大阪市では、サンフランシスコ市へ学生を派遣する市民団体に補助金を出していたが、これも打ち切っている。

海の向こうでは関係継続の認識?

 その後、両市の関係がニュースになることは減っていたが、最近になって公の場で話題となった。

 エマニュエル駐日米大使が22年5月に大阪市役所を表敬訪問した際、松井一郎市長が「誤解が生じて姉妹都市が解消されて非常に残念だ。力をお借りしたい」と切り出した。これにエマニュエル氏が「できることをさせてもらう」と応じた。ただし、その後も関係改善に大きな進展は見られていない。

 一方、サンフランシスコ市側は現在、どんな認識なのか。市の公式サイトを調べると、不思議な状況が確認された。姉妹都市提携を結ぶ世界19都市が表示されているが、その一つに大阪市が紹介されている。しかもリストの1番目に挙げられ、最も古い関係だと示されている。サイト上では関係を解消したことにはなっていないようだ。

 見解を聞くために毎日新聞は担当者にメールで質問した。すると、こんな返答があった。「このプログラム(姉妹都市提携)を通じて市民間のつながりを育みながら、文化的、教育的、経済的なつながりを築いて橋渡しすることを続けている。今後も市民間の友好関係を支援することに取り組んでいく」

 大阪市との関係について具体的な回答は得られなかったが、姉妹都市の解消について両市で認識に差が生じている可能性が高い。

 大阪市の担当者は「関係解消の通知後に双方でやり取りしたことはない」としつつ、「サンフランシスコ市は、長年続いた関係は一時の行政が決められることではないという立場なのかもしれない」と話した。【松本紫帆】

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 この10年、大阪府政や大阪市政では全国でも話題となるさまざまな出来事がありました。一方で、その後のエピソードはあまり知られていません。「あれからどうなった?」と題し、後日談を随時お伝えします。

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