海保と長崎大、海難事故の検視などで協力 知床・遊覧船事故受け

　2022年4月に北海道・知床半島沖で遊覧船が沈没し20人が死亡、6人が行方不明になった事故を受けて、第7管区海上保安本部（北九州市）と長崎大（長崎市）は海難事故で複数の死者が出た場合、遺体の検視や身元調査で協力する協定を結んだ。同様の協定は全国で初めて。

　海で船舶、航空、人身事故が起き、複数の死者が出た場合を想定。海上保安官が検視などをするために、長崎大が法医解剖室、遺体専用冷蔵・冷凍室、遺体安置保管場所などの設備の使用面で協力する。また、長崎大が検視医師の派遣でも協力する。

　従来も海保と大学は協力関係にあったが、今回の協定で施設提供や医師派遣などの手続きが簡素化され、円滑にできるようになる。7管は「検視や身元の特定が迅速になり、ご遺体を早期にご家族の元へ返せるようになる」としている。【松本美緒】