参院は8日午前、本会議を開いた。「議場での陳謝」の懲罰を受けていたNHK党のガーシー（東谷義和）参院議員は欠席し、尾辻秀久参院議長は再び懲罰委員会に付託すると宣告した。懲罰委は最も重い「除名」を軸にガーシー氏に対する懲罰を検討する。
懲罰は除名、登院停止、議場での陳謝、戒告の4段階ある。懲罰委は2月21日に懲罰で3番目に重い「議場での陳謝」を科すことを全会一致で決め、参院は22日の本会議で正式決定した。これに対し、ガーシー氏は一時は帰国し、議場での陳謝に応じる考えも示していたが、3月7日、自身のネット交流サービス（SNS）で訪問先のトルコから帰国せず、参院本会議に出席しない意向を示した。理由について、トルコ・シリア地震の被災地支援を優先するためとしている。関係者によると、NHK党に対し「ご迷惑をおかけします」と伝達。党関係者が参院に本会議の欠席を届け出た。
警視庁は2023年1月、動画投稿サイトで著名人を中傷、脅迫した疑いがあるとして、暴力行為法違反（常習的脅迫）容疑などで家宅捜索した。ガーシー氏は警察による「不当な拘束」を警戒しているという。
ガーシー氏は22年7月の参院選で初当選後もアラブ首長国連邦（UAE）に滞在を続けて、国会には一度も登院していない。参院が尾辻議長名で出席を促す「招状」を出した後も召集に応じなかった。【安部志帆子、東久保逸夫】
