埼玉県戸田市の市立美笹中学校で1日、男性教員（60）が切りつけられた事件で、殺人未遂容疑で逮捕されたさいたま市浦和区の高校生の少年（17）と学校側に、事件前の接点は確認されていないことが、捜査関係者への取材で判明した。少年が複数の刃物を所持していたことも分かった。「誰でもいいから人を殺したいと思った」と供述しており、県警は同校を狙った経緯を調べている。
少年は1日午後0時20分ごろ、校舎内で男性教員を刃物のようなもので切りつけ、けがをさせたとして逮捕された。男性教員は上半身に複数の傷を負ったが、命に別条はない。
県警によると、校舎3階の教室で試験に立ち会っていた男性教員が教室内に入ろうとした少年に気づき、取り押さえようとしたところ、ナイフで切りつけられたという。
捜査関係者によると、少年はこのナイフを含め複数の刃物を所持していた。少年は同校の卒業生であるという情報はなく、現時点では教員との面識や同校とのトラブルなども確認されていないという。
また、2月13～26日、戸田市と隣接するさいたま市南区と桜区の小学校や公園など5カ所で、切断された猫の死骸が相次いで見つかった。捜査関係者によると、これらについても少年は関与をほのめかしているという。一連の事件について県警は動物愛護法違反容疑で捜査しており、関連を調べる。【平本絢子】
