千葉県いすみ市は2023年度から、子宮頸(けい)がんワクチンの無料接種の対象に男子の児童・生徒を加える。がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)は性交渉を通じて感染するとされ、男性のウイルス保有者を減らすことで女性への感染を防ぐ。
市によると、県内の自治体では初めての取り組みとなる。類似の政策では、青森県平川市が男性が接種した場合の費用を助成する制度を導入している。
対象学年は女子と同じく小学6年~高校1年とする。該当する市内の児童・生徒は約630人。23年度一般会計予算案に5人分の接種費用として25万円を計上し、希望者が多ければ予算を増額する。
HPVワクチンは小学6年~高校1年の女子は無料で接種を受けられる「定期接種」の対象となっている。副反応の訴えを受け、国は13年6月から接種の積極的な呼びかけを中断していたが、22年4月に再開した。【金沢衛】