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文化遺産や宗教施設が損壊 市民ら「つらい」 トルコ・シリア地震


 数万棟の家屋が倒壊したトルコ・シリア地震では、両国にある歴史的建造物も大きな被害を受けた。地域を象徴する場所として守り継がれてきた文化遺産や宗教施設も損壊し、住民たちは大きく落胆している。

 震源地に近いトルコ南部の古都ガジアンテプでは、1500年近い歴史を誇るガジアンテプ城が損壊した。トルコメディアによると、3000年以上前、人類で初めて鉄器を使ったことで知られるヒッタイト王国がこの地に観測所を作り、6世紀にはビザンティン帝国が要塞(ようさい)として建て直したという。現在は、20世紀前半のトルコ独立戦争などを紹介する博物館となっており、観光名所の一つだった。

 地震では、東部と南部の城壁が崩れたほか、城内の通路の一部や斜面を保護する擁壁が壊れた。近くで土産物店を営むハサン・リュズガルさん(69)は「父の代から60年間商売しているが、こんなことは初めて。城の無残な姿を見てとても悲しい」と話し、「城目当てに街に来る客も多いが、あと10年は元の姿に戻らないだろう」と深いため息をついた。

 東部マラティヤでは、市中心部のモスク(イスラム教礼拝所)の屋根が崩落した。このモスクは19世紀に建設されたが、1964年の地震で大きく損壊。2021年にようやく修復作業が終了し、市民に開放されたばかりだったという。自身の家も崩壊し、避難所に身を寄せている公務員のワーヒッド・アクチャダーさん(55)は、「モスクが壊れるのは、自分の体が傷つくのと同じくらいつらい」と話した。

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)は地震が発生した翌日の今月7日、世界遺産の中でも存続が危うい「危機遺産」であるトルコ南東部の「ディヤルバクル城塞とヘブセル庭園」の建物とシリア北西部の「古代都市アレッポ」の要塞に揺れによる被害が出たと発表した。

 シリア当局などによると、アレッポの歴史的建造物はシリア内戦で一部破壊されたが、18年に修復が終わっていたという。今回の地震では要塞にある監視塔の入り口やモスクの一部が損壊した。【ガジアンテプ、マラティヤで三木幸治】

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