静岡・観光バス横転 「フェード現象」が原因と結論

　静岡県小山町須走（すばしり）の県道で昨年10月、観光バスが横転し乗客29人が死傷した事故で、県警は16日、自動車メーカーが事故車両を調べた結果、ブレーキなどに故障も異常も確認されなかったことを明らかにした。このため、運転手だった男性（26）がフットブレーキを多用したことにより、利きが悪くなる「フェード現象」が事故の原因と結論づけた。

　県警はメーカーに対し、シフトチェンジ▽エンジン▽ブレーキ▽アクセルペダル――の四つの作動記録の調査を依頼した。調査結果は今月7日までにすべて提出され、いずれについても問題は確認されなかったという。

　ふじあざみラインでの横転事故では乗員・乗客計36人のうち、当時74歳の女性が死亡し、男女28人が重軽傷を負った。

　運転手の男性は自動車運転処罰法違反（過失致傷）の疑いで現行犯逮捕された後、処分保留で釈放された。県警は容疑を過失致死傷に切り替え、関係書類を静岡地検沼津支部に送付している。【深野麟之介】