全国で相次ぐ広域強盗事件で指示役だった「ルフィ」と名乗る人物の可能性がある渡辺優樹容疑者（38）＝窃盗容疑で逮捕＝をトップとするフィリピン拠点の特殊詐欺グループが、日本で集めた詐取金の一部を、「地下銀行」を使ってフィリピンに送金していた疑いがあることが捜査関係者への取材で判明した。運び役が直接運搬していたケースも確認されており、警視庁は複数の回収手段を用いていたとみて調べている。
地下銀行は許可なく国際送金などを請け負う組織で、犯罪グループなどが詐取金の送金などをしているとされる。
捜査関係者などによると、不正送金した疑いがあるのは2人の韓国籍の男性。2人は2020年2月、高齢女性のキャッシュカードから現金を不正に引き出したとして大阪府警などに窃盗容疑で逮捕されたが、地下銀行を通じたフィリピンへの詐取金の送金についてのやり取りも確認されているという。2人は渡辺容疑者のグループのメンバーとされ、地下銀行を通じ、詐取金をフィリピンに送っていた疑いがある。
渡辺容疑者のグループを巡っては、詐取金を数千万円単位で手荷物として直接フィリピンに運搬していた運び役が複数いたことが分かっている。一連の強盗事件でも、容疑者の一人が事件後にフィリピンに渡航していたことが確認されており、強奪金を運んでいた可能性があるとみられている。
警視庁は、渡辺容疑者らが運び役や地下銀行などを通じて日本国内で集めた現金を回収していたとみて実態解明を進める。【林田奈々、遠藤龍】
大谷翔平・野球ニュース