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モルドバ、ロシアが「政権転覆意図」と非難 危機“飛び火”懸念


 旧ソ連構成国モルドバの親欧米政権は、ロシアが政権転覆を企てていると非難し、警戒を強めている。14日には謎の飛行物体が領空を侵犯した可能性があるとして、一時的に領空を閉鎖する騒ぎも起きた。ロシアが侵攻したウクライナに隣接するモルドバでは、危機が「飛び火」する恐れがあるとして懸念を強めている。

 「クレムリン(ロシア大統領府)がモルドバに暴力を持ち込もうという企ては成功しない」。モルドバのサンドゥ大統領は13日、ロシアのプーチン政権が自国民、ベラルーシ国民、旧ユーゴスラビアのセルビアやモンテネグロの国民を動員してモルドバで混乱を起こし、政権転覆を企てていると指摘。対抗措置を取る考えを示した。

 翌14日にモルドバのサッカー連盟は、首都キシナウで16日に予定しているモルドバとセルビアのクラブチームの試合で、観客を入れない方針を発表した。モルドバの航空管理当局も14日、気球のような物体が領空を飛行している恐れがあると国防省から警告されたことから、1時間22分にわたり領空を閉鎖。懸念された物体は見つからなかったが、モルドバの危機感があらわになった。

 サンドゥ氏が政権転覆の企てを指摘したことに対し、ロシア外務省は14日の声明で「完全に根拠も証拠もない主張だ」と反論。ロイター通信によると、モンテネグロ政府も自国民の関与を関知していないと説明している。

 ロシアが2022年2月にウクライナに侵攻して以来、モルドバとの関係が緊張し続けている点は否定できない。

 ロシア軍は今月10日に黒海に展開する艦船からウクライナに向けてミサイルを発射したが、モルドバ当局によると、モルドバ領空を通過する事例も起きていたという。モルドバ政府は自国駐在のロシア大使に抗議するなど、強い姿勢を見せた。22年春には、ロシア軍がウクライナ南部で占領地域を広げるような事態になれば、モルドバにも侵攻するのではないかとの観測も流れていた。

 1991年のソ連崩壊に伴い独立したモルドバは長年、ロシアと欧州の狭間で揺れてきたが、20年に大統領に就いたサンドゥ氏は欧州寄りの立ち位置を明示した。ロシアによるウクライナ侵攻が始まった後は、ウクライナ支援の姿勢も鮮明にしている。

 一方でモルドバ東部の地域はソ連崩壊前の90年の段階で、ロシア系住民が当時の共和国から分離独立すると一方的に宣言。その後にモルドバ側との戦闘に勝利し、実効支配を続けている。【モスクワ大前仁】

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