自民党の岸信夫・前防衛相の辞職に伴う衆院山口2区補選（4月23日投票）に立候補を表明した長男の信千世氏（31）が、自身のホームページ（HP）に掲載していた家系図を削除した。家系図は元首相らが名を連ねる「政治一家」を誇示するものだとして、SNS（ネット交流サービス）で批判されていた。
HPは、信千世氏が7日に記者会見して補選への立候補方針を表明した後に開設された。家系図はトップページに本人の略歴と並べて掲載。信夫氏の祖父・岸信介元首相やその弟の佐藤栄作元首相、信夫氏の兄の安倍晋三元首相、その父の晋太郎元外相、晋三氏の祖父で衆院議員だった寛氏の名が記されていた。
信夫氏は晋三氏の実弟だが、生後間もなく信介氏の長男の養子となり、岸姓となっている。
ツイッターなどでは「政策ではなく、家系図を前面に押し出す人間が政治家として優秀なはずがない」「政治を『家業』としか考えていない証左」「親の七光りどころか家系の七光り」など批判の投稿が相次いだ。その後、HPは家系図の記載が削除され、14日時点で、メンテナンス中となっている。毎日新聞は信千世氏の地元事務所に繰り返し電話をしたが、でなかった。
信千世氏は立候補表明の際、世襲への批判について「こういう家庭環境であったからこそ政治の話題が比較的身近なものとなった」などと述べていた。【デジタル報道センター】
