ロシア、米大使館に「内政干渉はやめよ」と書簡 異例の警告

　ロシア外務省は7日、在ロシア米大使館がロシア指導部に対する不適切な発言とロシア軍に関するフェイクニュースを発信しているとして、「内政干渉をやめるよう」警告する書簡を伝達した。ロシア外務省幹部がタス通信に明かした。どのような発言や行動を指しているのかは不明だが、異例の警告とみられる。

　書簡では、米大使館の関係者がロシアの政権の「転覆を試みる行為」に関与した場合、国外に退去させることも伝えたという。ロイター通信は米国務省の報道担当者が書簡を受け取ったことを認めたが、それ以外のコメントを控えていると報じた。

　ロシアによるウクライナ侵攻を受け、米露関係が著しく悪化する中、米国のトレーシー駐露大使は1月下旬にロシアに着任した。タス通信に今回の書簡について説明したロシア外務省幹部は、着任したトレーシー氏に対し「ロシアの法律を順守し、ロシアで求められていることに反する行為を控えるように伝えていた」とも主張している。【モスクワ大前仁】