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異例の相乗り候補敗北 北九州市長選 尾を引いた自民大物議員の対立


 無所属新人4人が争った北九州市長選は、与野党4党が相乗りで推薦した現職の「後継候補」が、組織の後ろ盾がない候補に敗れる異例の結果となった。分裂選挙に陥った自民党が、大物議員の存在も絡んでまとまらなかったことが最後まで尾を引いた。関係者からは今春の統一地方選への影響に懸念の声が上がる。

 「党支持層をまとめられなかった責任を痛感している」。自民福岡県連の松尾統章幹事長は6日、記者団にそう語り、幹事長職の辞職を県連会長に願い出た。前日投開票された市長選で、自民などが推薦した市出身の元国土交通省官僚、津森洋介氏(47)が、政党推薦もなく、あまり市との縁もなかった元厚生労働省室長、武内和久氏(51)に敗れたのを受けた対応だった。

 党推薦候補は津森氏だが、武内氏も2019年の福岡県知事選に自民推薦で出馬した「自民系」。今回の市長選で、武内氏の知事選出馬を主導した麻生太郎・党副総裁(衆院福岡8区)は津森氏推薦を決める文書に署名しなかった。自民を含む市議会会派による津森氏擁立の過程を「密室政治だ」と反発した自民市議2人が武内氏支援に回り、自民の支持者からは「どちらが自民の候補なのか」と困惑の声も聞かれた。

 告示前には武田良太元総務相(衆院福岡11区)が菅義偉前首相の来援をお膳立てしたが、麻生氏に近い議員が主要幹部を務める自民県連側に警戒感が生まれたことで、立ち消えになったという。県政界の主導権を巡る麻生、武田両氏の対立が落とした影。選挙期間中は表立った動きを見せなかった2人だが、ある自民関係者は「2人の意向が選挙戦に一定程度影響を与えたのは間違いない」と話す。自民は一枚岩とはほど遠い状態で選挙戦に突入した。

 毎日新聞が共同通信社、RKB毎日放送と5日に共同で実施した、投票を終えた有権者1664人への出口調査では、自民支持層の投票先は約5割が津森氏、4割強が武内氏と真っ二つだった。一方で無党派層は約5割が武内氏に投じ、津森氏の約3割を大きく上回った。武内氏に投票したという女子大学生(21)は「政党の利害に左右されず、市民の声を反映してくれると思った」と明かした。

 現職の北橋健治氏(69)=4期目=の後継とされた相乗り候補が敗れた事態に、党関係者には危機感が広がる。県内では統一地方選で県議選などが控えているが、自民を支持しているという男性は「自民といっても、自分のやりたいことだけやって、まとめる人がいない。組織を立て直すのは難しいのではないか」と苦言を呈した。【松田栄二郎、青木絵美】

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