ＮＡＴＯ同時加盟追求＝フィンランド外相、スウェーデンと「一体」

　【ロンドン時事】ロシアのウクライナ侵攻を受けたフィンランドとスウェーデンの北大西洋条約機構（ＮＡＴＯ）加盟問題で、フィンランドのハービスト外相は３０日、あくまでスウェーデンとの同時加盟を追求する考えを言明した。ロイター通信などが伝えた。 　北欧２カ国の加盟を巡っては、鍵を握るトルコが、スウェーデンでイスラム教の聖典コーランを燃やす反トルコ抗議行動が行われたことなどから両国との協議を中断。トルコのエルドアン大統領は２９日、フィンランドのみ認める可能性を示唆し、フィンランド国内でも単独加盟容認の声が出始めている。 　こうした中、ハービスト氏は３０日、ヘルシンキでの記者会見で「われわれの強い望みは依然スウェーデンと共に加盟することだ。トルコを含む全ての将来のＮＡＴＯ同盟国に対し、２カ国の安全保障は一体だと明確に伝えた」と述べ、北欧の「結束」を強調。その上で、今年７月のＮＡＴＯ首脳会議までに加盟が実現することに期待を示した。 　ただ、トルコはテロ組織と見なすクルド人勢力の身柄引き渡し要求にスウェーデンが十分応じていないと不満を突き付けている。反トルコの抗議デモで反発をさらに強めた形で、スウェーデンの加盟容認へ態度を軟化させるかどうか見通しは不透明だ。　【時事通信社】 〔写真説明〕３０日、ヘルシンキで会見するフィンランドのハービスト外相（ＡＦＰ時事）