元船長、海面下の岩に気付かず＝香川の旅客船沈没事故―運輸安全委

　香川県坂出市で２０２０年１１月、同市内の小学生ら６２人を乗せた旅客船が沈没した事故について、運輸安全委員会は１９日、元船長（４７）が海面下の岩に気付かず乗り上げたことが原因とする調査報告書を公表した。 　報告書によると、小型旅客船「Ｓｈｒｉｍｐ　ｏｆ　Ａｒｔ」（１９トン）の元船長は、自船の位置を確認できる「ＧＰＳプロッター」と呼ばれる装置に、岩の存在が表示されていたのに気付かなかった。岩礁などの位置を把握できていると思い込み、法令が定める事前の水路調査や海図の備え付けも怠っていた。岩に乗り上げたことで生じた船底の破口から浸水し、沈没に至ったという。　 　一方、救助活動については被害拡大を防止し、乗客ら４人が軽傷を負うなどにとどめたと評価した。元船長が客室の扉を閉鎖するよう指示し、船体の浮力を確保。海に飛び込めない乗客が船体の上で救助を待つことができた。引率教員の中に小型船舶操縦免許の保有者がおり、救命胴衣の着用を補助したことも貢献した。（了）【時事通信社】