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「苦しい時こそ、助け合える」=阪神被災後、困窮者支援の道に―牧師の車田さん


 高校生の時に阪神大震災に遭った牧師の車田誠治さん(45)=兵庫県たつの市。震災をきっかけに神学の道に進み、生活困窮者や路上生活者の支援をしている。「震災を通して、人は苦しい時に助け合えることを学んだ」と話す。  車田さんは神戸市東灘区で生まれ育った。母親がキリスト教徒で、幼い頃は毎週教会に足を運んでいたという。阪神大震災は高校2年の時に起きた。寝ていると、激しい揺れで本棚が倒れてきた。「このまま死ぬだろう」と覚悟した。  揺れが収まり、半壊した自宅の窓から外に抜け出すと、周囲の住宅は軒並みつぶれていた。家の下敷きになった人を助け出そうと協力する近所の人たち。危険を顧みず、がれきの中に入っていく姿に、車田さんは「今まで見たことがない、助け合いの社会を見た」と振り返る。  数日後、教会に食料をもらいに行くと、パック入りの牛乳を近所に配るよう教会の人に頼まれた。「面倒くさいな」と思いながら配っていると、自分が想像した以上に感謝され、驚きと同時にうれしさが込み上げてきたという。「物を渡している側だけど、何か大事な経験をさせてもらっている」。支援の気持ちを学んだ気がした。  阪神大震災では、家族は無事だったが、近くに住む親戚が犠牲になった。身近な人の死に触れ、神学の道を選んだ。東京都内の神学校を卒業後は牧師となり、定期的に生活困窮者への炊き出しを行い、生活相談会や子ども食堂も開く。  活動には近隣の中高生も参加。支援を受けた人々からの感謝の言葉に驚く生徒も多いという。「身近なところから、助け合いの社会を実現したい」。車田さんは震災の経験を胸に活動を続ける。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕炊き出しの代わりに実施した食料品の配布で、利用者にジュースを手渡す車田誠治さん(右)=2022年12月10日午後、兵庫県姫路市
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