南シナ海問題でホットライン＝経済協力を推進―中比

　【北京、マニラ時事】中国の習近平国家主席とフィリピンのマルコス大統領が４日に北京で行った会談を受け、両国は５日、共同声明を発表した。互いに領有権を争う南シナ海問題の「平和的解決」を目指すとし、両国外務省間で直接連絡できるホットライン開設を明記した。また、巨額の投資案件について協議し、経済協力を進めることも確認した。 　比政府の説明によると、ホットラインは、不測の事態をもたらしかねない「両国間の誤解」を避けるために設置される。共同声明は「南シナ海を巡る争いは両国関係の全てではなく、意見の違いを適切に管理していく」と強調。４日の首脳会談で一致した南シナ海での石油・ガス開発交渉の再開のほか、防衛・安全保障対話の年次開催も記した。また、１４の協力協定で合意した。 　マルコス氏は今回の訪問で、２２８億ドル（約３兆円）に上る巨額の投資案件で中国側の約束を取り付けた。比側の発表によれば、再生可能エネルギー分野が総額の過半を占め、電気自動車や農業関連も目立つ。比産果物などの対中輸出を促進させることも決まった。　【時事通信社】 〔写真説明〕４日、北京で行われた歓迎式典に臨むフィリピンのマルコス大統領（左から２番目）と中国の習近平国家主席（同３番目）（フィリピン政府提供）（ＡＦＰ時事）