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「捕まってでも苦境伝える」=国なき民、在日クルドが映画に―難民認定なし、移動や就労制限


 居住地域が中東各国にまたがり、「国を持たない最大の民族」と言われるクルド人。迫害を逃れて日本にたどり着いても、難民認定を受けられず、不自由な生活を送る人が多い。そんな中、「自分は捕まってでも在日クルド人の苦境を伝えたい」という若者の思いを込めた映画が全国で上映されている。  11月下旬、ドキュメンタリー映画「東京クルド」の自主上映会が都内で開かれ、主役の一人でクルド人のオザンさん(23)と日向史有監督(42)が出席した。  オザンさんはトルコ南東部出身。父はトルコからの分離独立を目指すクルド武装勢力に食料を届けていた。「親戚がトルコ当局に拷問を受けた」ため危険を感じ、故郷を離れた。  オザンさん一家は2005年に来日して以降、何度も難民認定を申請したが、認められなかった。現在は「仮放免」の立場。出入国在留管理局施設には収容されていないが、現住地の埼玉県から県境を越えるには許可が必要だ。  映画はオザンさん一家や在日クルド人の苦境を描く。労働が許されず、保険にも入れないが、オザンさんは生活のため非正規に解体作業に従事。「くぎが刺さったぐらいでは病院に行かない」という。  映画では入管職員がオザンさんの労働を巡り「収容、強制送還も覚悟して」と警告する場面の録音が紹介された。「どうやって生活すればいいのか」とオザンさんが問うと「あなたたちでどうにかして」と突き放す。「帰ればいい。他の国に行って」と笑う声もあった。  トルコや日本でクルド人への扱いを見てきたオザンさんは、自分が「ダニよりも価値がない存在」とつぶやく。いつしか、中東で過激派組織「イスラム国」(IS)と戦うクルド人にあこがれるようになっていた。そんな時、番組制作会社で働く日向さんと出会った。  オザンさんは仮放免を巡る状況が広く知られていなかったとして、映画に出演して窮状を訴えることができれば「(入管に)捕まってもよかった」と振り返る。日向さんは現在の入管行政に関し「緩やかに(行動を)制限して出て行かせようとしている」と指摘する。  東京クルドは21年7月公開。全国44カ所の映画館で上映され、大学などでも自主上映会が開かれている。 【時事通信社】 〔写真説明〕映画「東京クルド」の自主上映会で体験を語るクルド人のオザンさん(左)と日向史有監督=11月26日、東京都目黒区 〔写真説明〕映画「東京クルド」に登場するクルド人のオザンさん(右)と父(〓(著作権表示記号)2021 DOCUMENTARY JAPAN INC.)
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