子供たちに「ブックサンタ」＝ウクライナ避難民にも―東京

　経済的困窮や病気などで厳しい環境にいる子どもたちに、書店で購入した本を寄付してクリスマスプレゼントとして届ける「ブックサンタ」の取り組みが広がっている。１８日にはロシアによる侵攻で日本に避難しているウクライナの子どもたちにも贈られた。寄付は２４日まで受け付けており、主催者は「１冊に救われる家庭もあるので、ぜひ参加してほしい」と呼び掛けている。 　ブックサンタは、全国の協力書店で子ども向けの本を買って寄付すると伝えると、サンタクロースに扮（ふん）したボランティアらが支援が必要な子どもたちのいる家や施設に届ける取り組み。「誰でも書店でサンタになれる」とうたい、２０１７年にＮＰＯ法人「チャリティーサンタ」（東京）が開始。年々協力書店も増えて、昨年は３万５０００冊以上が贈られた。 　今年は協力書店が４７都道府県に広がって７７９店舗になったほか、台風被災者や日本にいるウクライナ避難民にも届けることになった。ＮＰＯ法人代表理事の清輔夏輝さん（３８）は、ウクライナ避難民に対して「何かできないかとずっと思っていた」と明かす。 　１８日に東京都内で支援団体の日本ＹＭＣＡ同盟が開いたクリスマス会には、避難民約９０人が参加。ボランティアが翻訳を付けた絵本を、白い衣装に身を包んだ「聖ニコライ」から受け取った子どもたちは、早速親子で読み始めるなどしていた。 　「おやおや、おやさい」という絵本を受け取った男児（６）は「家に帰ったらお母さんと読みたい」とうれしそうに話した。　（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕ウクライナ避難民向けのクリスマスイベントで、「聖ニコライ」から本を受け取る子どもたち＝１８日午後、東京都新宿区