人員削減の波、米金融界にも＝ゴールドマンが４０００人規模

　【ニューヨーク時事】米企業に押し寄せる人員削減の波が、金融界にも及んできた。米メディアによると、ゴールドマン・サックスが全従業員の約８％に当たる最大４０００人規模の削減を検討。連邦準備制度理事会（ＦＲＢ）の急速な利上げを受けて景気後退が忍び寄る中、市場環境のさらなる悪化に備え、守りの姿勢を固めている。 　米国では、２０２０年の新型コロナウイルスの世界的流行を受け、金融機関の融資が低迷した。一方で、景気を支える大規模金融緩和を背景に新規上場がブームとなり、企業のＭ＆Ａ（合併・買収）や債券発行が拡大。Ｍ＆Ａ助言といった投資銀行業務が大きく伸び、人員も増えた。 　だが、今年に入ってＦＲＢが金融引き締めへと政策を転換すると事業環境は一変。企業の上場や資金調達に急ブレーキがかかった。 　報道によると、シティグループは投資銀部門で数十人規模を削減。モルガン・スタンレーは世界中で２％程度のリストラを計画中だ。ゴールドマンは、前年に最大４～５割増やしていたボーナスも大きく減らすと報じられた。 　米国では、アマゾン・ドット・コムやメタ（旧フェイスブック）、ＨＰなど、コロナ禍で人員を膨らませたＩＴ企業が一転して大規模削減に乗り出している。米金融大手は「多くの企業トップが困難な状況への準備をしている」（幹部）と、景気が今後悪化するリスクを嗅ぎ取っている。　【時事通信社】 〔写真説明〕米ニューヨーク証券取引所で点灯するゴールドマン・サックスの表示（ＥＰＡ時事）