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営業再開に葛藤も=休業、移転迫られたテナント―大阪ビル放火1年


 26人が犠牲となった放火殺人事件現場の雑居ビルは、関係者以外の立ち入りが禁止され、テナントも休業や移転を迫られた。発生から1年が経過し、葛藤を抱えながらも営業を再開した店舗もある。  大阪・キタの繁華街「北新地」の一角にある8階建てのビル。火元の心療内科クリニックが入っていた4階の窓は白い板のようなもので覆われ、入居テナントを示す看板も当時のまま。ビル壁面の小窓周辺には事件で付いたとみられるすすが残り、火災の激しさを物語る。現在、改修工事が行われているという。  1階のオーダースーツ専門店「ダンカン堂島店」は、保管していたスーツの一部に煙が染み込み廃棄を余儀なくされた。休業が続く中、運営会社(大阪府吹田市)の栄岩和久・商品部副部長(41)は、「多くの犠牲者がいる中で、すぐに営業を再開していいのか」と悩み続けたという。  社内でも議論が繰り返されたが、「いつ戻ってくるの」という常連客からの声に押され、今年9月に隣接するビルで営業を再開した。それでも、いずれは長年入居して「愛着のある場所」(栄岩さん)に戻ることを切望している。  2階にあった英会話教室は、事件発生時は授業開始前だった。運営する「CLOCK(クロック)」(大阪市都島区)の村上剛代表取締役(41)が事件翌日に部屋に入ると、消火に使ったとみられる水が流れ込んでいたという。  村上さんは「同じような事件が起こったらと、スタッフや生徒が不安を感じながらではサービスを提供できない」として移転を決意。事件を踏まえ、避難経路が2カ所あるビルを選んで今年2月に再オープンした。現場から徒歩数分で、以前より狭くなったが、「広さよりも安心を優先しようと思った」。  一方、ビルのオーナーは取材に応じていない。村上さんによると、改修計画について十分な説明がなく、再開の見通しは不明という。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕消火活動で水たまりができた英会話教室=2021年12月17日、大阪市北区(CLOCK提供)
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