「１票の格差」訴訟が結審＝昨年衆院選巡り弁論―最高裁

　「１票の格差」が最大２．０８倍だった昨年１０月の衆院選は違憲だとして、二つの弁護士グループが選挙無効を求めた１６件の訴訟の上告審弁論が１４日、最高裁大法廷（裁判長・戸倉三郎長官）で開かれ、結審した。判決期日は後日指定されるが、年度内に言い渡される見通し。 　弁論で山口邦明弁護士らのグループは、２０１７年衆院選を巡る１８年の最高裁判決後、格差が２倍を超える選挙区が急増したのに国会は特段の措置を取らなかったと主張。升永英俊弁護士らのグループは「多少の人口変動によって最大格差が容易に２倍を超えてしまう選挙制度自体に構造的な問題がある」と訴えた。 　被告側は「格差が２倍を超えたのは予想外の人口移動が要因で、選挙制度の構造的問題ではない」と反論した。 　訴訟は全国１４高裁・支部に計１６件起こされ、「違憲状態」７件、「合憲」９件と判断が分かれた。違憲状態とした７件は格差が２倍を超えたことを問題視し、合憲の９件は格差是正に向けた国会の対応を肯定的に評価するなどした。　（了）【時事通信社】