ジョンソン＆ジョンソンなど立ち入り＝医療機器メーカーに不公正取引か―公取委

　医療機器販売の「ＡＳＰ　Ｊａｐａｎ」（東京都港区）が取引先のメーカーに対し、自社で扱っている内視鏡の消毒液のみが使用可能な製品を製造するよう要求していたとして、公正取引委員会は１３日、独禁法違反（不公正な取引方法）の疑いで、ＡＳＰ社と関連先の米医療品大手「ジョンソン・エンド・ジョンソン」日本法人（千代田区）を立ち入り検査した。 　ＡＳＰ社は１９８５年、ジョンソン・エンド・ジョンソンの事業部として発足。その後、世界約５０カ国に展開する米「フォーティブ」に買収されていた。 　関係者によると、ＡＳＰ社はジョンソン・エンド・ジョンソンに所属していた頃から、内視鏡の洗浄機器メーカーに自社で扱っている消毒液だけが使用可能な製品を製造するよう求め、実際にこうした製品を仕入れていた。 　メーカーは事実上、ＡＳＰ社のみに製品を販売せざるを得なくなり、他の販売事業者に納品できないなど競争が制約されたとみられる。独禁法上の不公正な取引方法の中で、取引妨害と呼ばれる行為に該当する可能性がある。 　ホームページによると、ＡＳＰ社の従業員は今年１月時点で約１２０人。内視鏡洗浄消毒器のほか、減菌関連製品などを取り扱っている。新型コロナウイルスの感染拡大時には、医療従事者向けの「Ｎ９５マスク」が不足したことを受け、減菌処理に関わって再利用に貢献したという。　（了）【時事通信社】