ＥＵのウクライナ支援に反対＝ハンガリー、実施に遅れも

　【ベルリン時事】ハンガリーは６日にブリュッセルで開かれた欧州連合（ＥＵ）財務相理事会で、ロシアの侵攻を受けて資金繰りが悪化するウクライナへの総額１８０億ユーロ（約２兆６０００億円）の財政支援について、反対すると表明した。加盟国の全会一致が必要なため、ＥＵは同理事会での決定を断念した。 　議長国チェコのスタニュラ財務相は、ハンガリー以外の２６カ国による「別の解決策を探す」として、来年１月の支援実施を目指すと強調した。ただ、方法によっては各国の議会承認が必要となるなど時間がかかる可能性があり、財政が悪化するウクライナへの影響が懸念される。 　ＥＵとハンガリーは、同国での司法の独立性の侵害など「法の支配」をめぐる問題で対立。ＥＵの執行機関である欧州委員会は、ハンガリーに対するＥＵの補助金など総額１３０億ユーロ超について、十分な改革を実施するまでは交付しないことを提案している。ハンガリーにはウクライナ問題を利用し、ＥＵ側に揺さぶりをかける思惑があるとみられる。　【時事通信社】