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再審求め、袴田事件が結審=「巌に真の自由を」姉陳述―差し戻し審、年度内に判断・東京高裁


 一家4人が殺害された事件で死刑が確定し、静岡地裁の再審開始決定によって釈放された袴田巌さん(86)の第2次請求差し戻し即時抗告審が5日、東京高裁(大善文男裁判長)で非公開で行われた。弁護団によると、再審請求した姉ひで子さん(89)が「56年間も無実を訴えてまいりました。巌はいまだ妄想の世界ですが、真の自由を与えてください」と述べ結審した。大善裁判長は来年3月末までに決定を出す考えを表明した。  最大の争点は、事件の約1年2カ月後にみそタンクから見つかった「5点の衣類」が、袴田さんの犯行時の着衣と言えるかどうか。赤みを帯びた血痕が付着しているが、弁護側は長期間みそに漬かれば黒く変色するとして「証拠の捏造(ねつぞう)」を主張している。  ひで子さんによると、袴田さんは審理に先立ち、大善裁判長らと面会し「事件はない」「俺は無罪になっている」などと述べたという。  弁護側は最終意見陳述で、みそ漬け実験結果や専門家の尋問を踏まえ、「血液成分のヘモグロビンが分解、酸化して赤みを消失させるほか、血液のアミノ酸やたんぱく質もみその成分と化学反応を起こして変色が進行する」と説明。検察側の実験は乾燥した血痕を使うなど赤みが残りやすい条件になっていると批判しつつ、大半で赤みが消失したとした。  一方、検察側は陳述しなかった。既に出した意見書で、弁護側実験は「限られた条件下で得られた一つ一つの結果にすぎない」と指摘。独自の実験で血痕周辺部などに赤みが確認されたとし、「凝固、乾燥により化学反応が起きにくくなり赤みが残りやすくなった可能性がある」として再審開始決定を取り消し、袴田さんを拘置施設に収容するよう求めている。  西嶋勝彦弁護団長は記者会見で「裁判所に十分納得してもらったと思う。再審開始決定以外に考えられない」と話した。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕袴田事件の第2次再審請求差し戻し審結審後、記者会見する西嶋勝彦弁護団長(左)と袴田巌さんの姉・ひで子さん=5日午後、東京都千代田区 〔写真説明〕袴田事件の第2次再審請求差し戻し審結審後、記者会見する袴田巌さんの姉・ひで子さん=5日午後、東京都千代田区
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