マスクと帽子着用し襲撃＝刃物持ったまま逃走か―宮台さん襲撃事件・警視庁

　東京都立大（東京都八王子市）の教授で社会学者の宮台真司さん（６３）が男に襲撃され重傷を負った事件で、男はマスクと帽子を着用しており、使用したとみられる刃物は現場から見つかっていないことが３０日、捜査関係者への取材で分かった。 　警視庁捜査１課は男がしつこく宮台さんを切り付けた後、刃物を持ったまま逃走したとみて、殺人未遂容疑で行方を追っている。 　捜査関係者などによると、男はマスクと帽子姿で、２９日午後４時１５分ごろ、講義を終えて駐車場に向かう宮台さんをキャンパス内の歩道で突然、襲撃した。 　背後から頭を殴った後、鋭利な刃物で後頭部や首付近、右脚と左脇などを切り付けたとみられるが、現場付近から凶器のようなものは見つかっていないという。　 　都立大は３０日、学生が出入りするキャンパスの門に複数の職員を配置するなど警戒を強化。通常通り授業を実施したが、学生からは不安の声が上がった。 　人文社会学部１年の男子学生（２０）は事件直後、講義があった校舎から約３００メートル離れた縁石に座る宮台さんを目撃した。「冷静な感じで腰掛けていたが、首から血を流し、顔にも飛び散っていた」と振り返った。周囲には学生が住む寮やアパートが立ち並ぶため、「犯人が学生だったら怖い」と声を落とした。 　理学部１年の女子学生（１８）は「（通学時）不安だった。駅に警察官がいて現実なんだと思った」と語り、容疑者の早い逮捕を願った。（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕警視庁本部＝東京都千代田区