宛名なし領収書、岸田首相ら告発＝市民団体が東京地検に

　岸田文雄首相の昨年衆院選の選挙運動費用収支報告書などに宛名などが空白の領収書が添付されていたとして、市民団体が２８日、公選法違反や政治資金規正法違反容疑で、岸田首相と、関係する政治団体代表ら３人の告発状を東京地検特捜部に提出した。市民団体が東京都内で記者会見し明らかにした。 　告発状などによると、広島県選挙管理委員会に提出された昨年の選挙運動費用収支報告書に添付された領収書３３３枚に宛名や支払い目的のただし書きの記載がなかった。一部は金額が黒塗りにされ、判明した分だけでも計約１７３万円に上った。　 　このほか昨年の「岸田文雄後援会」と「自民党広島県第１選挙区支部」の各収支報告書に添付された領収書にも宛名などがなかった。 　公選法などは、選挙運動や政治活動に要した全ての支出について支出額や支払日、目的を記載した領収書を提出するよう定めている。 　「政治とカネ」の問題を巡っては、関係する政治団体が故人を会計責任者にするなどしていた寺田稔氏が国会で追及を受け、２０日に総務相を事実上更迭された。（了）【時事通信社】