米下院民主指導部、世代交代へ＝黒人初ジェフリーズ氏選出か

　【ワシントン時事】ペロシ米下院議長（８２）は１７日、議会で演説し、来年１月からの新議会で下院民主党の指導部を退く考えを示した。「新しい世代が民主党を率いる時が来た」と世代交代の重要性に言及。下院議員としての活動は続ける方針だ。 　下院トップのホイヤー院内総務（８３）も同日、退任の意向を表明した。ホイヤー氏は後継として、ニューヨーク州８区選出のハキーム・ジェフリーズ議員（５２）を推薦。ジェフリーズ氏が選出されれば、議会で党を率いる初の黒人となる。 　民主党は中間選挙で下院多数派の地位を失い、次期議長には共和党のマッカーシー院内総務が就任するとみられている。新議会で共和党はバイデン政権への追及を強める構えで、対立激化が予想されている。 　ペロシ氏は２００７年に米史上初の女性下院議長に就任。通算４期を務め、議会運営に多大な影響力を誇った。バイデン大統領は声明で「彼女は常に全ての国民の尊厳のために働いた」とたたえた。 　ペロシ氏は８月に台湾を訪問するなど、対中強硬派として知られた。トランプ前大統領と対立し、この日もブッシュ、オバマ、バイデン各氏の名を挙げて「３人の大統領と共に楽しく働いた」と述べ、トランプ氏の存在を無視した。 　演説でペロシ氏は「私が初当選した１９８７年に１２人だった民主党女性議員は、今や９０人を超えた」と称賛。女性や有色人種、性的少数派を多数擁する同党の多様性に胸を張った。 　一方、政治的暴力の標的にもなった。１０月に夫のポール氏が襲われ重傷を負った事件では当初、ペロシ氏が狙われており、ペロシ氏はＣＮＮテレビに「（去就の）判断に影響するだろう」と語っていた。　【時事通信社】 〔写真説明〕１７日、ワシントンの米連邦議会で演説するペロシ下院議長（ＡＦＰ時事） 〔写真説明〕米民主党のハキーム・ジェフリーズ議員＝ワシントン、２０２１年１１月（ＡＦＰ時事）