アニメ美術巨匠の技感じて＝小林七郎さん回顧展―ＮＹ

　【ニューヨーク時事】「ルパン三世　カリオストロの城」など美術監督として数多くのアニメ作品の背景画を手掛け、８月に８９歳で他界した小林七郎さんの回顧展が１６日、米ニューヨークで始まった。著名アニメ作品だけでなく、油彩画も飾られ、絵をこよなく愛した本人の思いが伝わる展覧会だ。 　回顧展では「うる星やつら２　ビューティフル・ドリーマー」「のだめカンタービレ」など、小林氏が担当した代表的作品の背景画を紹介。一方、出身地の北海道をテーマに１９６０年代に描いた水彩画、晩年の赤と黒が印象的な馬の油彩画のほか、抽象画も展示された。技術が進歩しても手描きが生み出す無限の力を信じ続けたという。 　小林さんは、強く望んだニューヨークでの個展開催計画が進む中、この世を去った。妻の康子さんは会場で、食事中も絵を描いていたエピソードを披露し、「（今回の個展を本人は）どれほど夢見たか分からない」と目を潤ませた。回顧展は２２日まで。　【時事通信社】 〔写真説明〕小林七郎さんの回顧展で展示された「うる星やつら２　ビューティフル・ドリーマー」の背景画＝１６日、米ニューヨーク