遺族中傷の男、侮辱罪争う＝池袋事故巡りＳＮＳ投稿―東京地裁

　東京・池袋の乗用車暴走事故で妻子を亡くした松永拓也さん（３６）をインターネット交流サイト（ＳＮＳ）上で中傷したとして、侮辱罪などに問われた無職油利潤一被告（２３）の初公判が１６日、東京地裁（安永健次裁判官）であった。油利被告は「間違いありません」と述べた上で、侮辱する意図はなかったと主張。弁護側は侮辱罪は成立しないとして争う姿勢を示した。 　検察側は冒頭陳述で、警察に相談すると知った油利被告が松永さんに謝罪のダイレクトメールを送る一方、友人には松永さんをやゆするメッセージを送っていたことを明らかにした。 　油利被告は被告人質問で、弁護人から「一般の人には松永さんを侮辱したと受け取られる」と指摘されると、「本当に申し訳ない気持ちでいっぱい」と述べた。 　松永さんは閉廷後の取材に「あの文面で私に言ったわけではないというのは無理がある。罪を償って更生してほしい」と語った。　 　起訴状によると、油利被告は３月、「金や反響目当てで闘っているようにしか見えませんでしたね」などとツイッターに投稿。８月には東京・秋葉原での通り魔を示唆する内容を投稿し、歩行者天国を中止させるなど警察の業務を妨害したとされる。（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕中傷するツイッターへの投稿を報道陣に示す池袋暴走事故の遺族の松永拓也さん（右）＝１６日午後、東京都千代田区