「軽率だ」「あれはまずい」＝地元や検察、あきれ顔―法相辞任

　葉梨康弘法相が１１日、辞任に追い込まれた。事実上の更迭で、地元の有権者は「軽率だ」とあきれ顔。死刑執行を指揮する立場の検察幹部も「あれはまずい」と顔をしかめた。 　更迭の見通しが伝えられた同日午後、茨城県取手市にある葉梨法相の事務所は出入りする人の姿もなく閑散としていた。中にいた女性スタッフは「秘書がいないので対応できない。こういうことは初めてなので」と困惑気味だった。 　同市に住む男性（７７）は「やっとここから大臣が出たのに情けない。人の命をどう思っているのか」と問題となった発言に憤る。６０代の主婦は「軽率だ。岸田首相にも迷惑が掛かったわけで、きのうの時点で辞めた方が良かった」と突き放した。別の女性（８０）は「そういうことは言わない人だと思っていた。地元としてはかわいそうだが、仕方ない」と残念そうだった。 　法務・検察内部からも厳しい声が相次いだ。ある検察幹部は「悪意はないと思うが、例えが悪い。死刑は国が合法的に人の命を奪う唯一の手段で、他の刑罰とは違う」と指摘。別の幹部は「法相は死刑を判断する立場の人で、死刑囚にも遺族がいる。他に言いようがなかったのか」と首をかしげた。　（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕葉梨康弘法相の地元事務所＝１１日午後、茨城県取手市