仁科記念賞に斉藤氏ら＝「スピン流物理学」開拓など

　仁科記念財団は１０日、物理学で優れた功績を挙げた研究者に贈られる２０２２年度の仁科記念賞に、斉藤英治東京大教授（５０）と小松英一郎・独マックスプランク天体物理学研究所ディレクター（４８）の２氏を選んだと発表した。 　斉藤氏は、電子の自転（スピン）の方向が次々に変化して隣の電子に伝わる「スピン流」を直接検出する方法を発見。これを用いて、スピン流が関わるさまざまな物理現象を見いだした。 　小松氏は、ビッグバンの名残と言われる「宇宙背景放射」の観測データの分析から、宇宙がビッグバン以前のごく短い時間に急膨張したとする「インフレーション理論」を検証。現在の標準的な宇宙論の確立に大きく貢献した。　（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕２０２２年度の仁科記念賞に選ばれた斉藤英治・東京大教授（仁科記念財団提供） 〔写真説明〕２０２２年度の仁科記念賞に選ばれたドイツ・マックスプランク天体物理学研究所の小松英一郎ディレクター（仁科記念財団提供）