開票結果判明、なぜ時間？＝郵便投票急増が原因―米中間選挙

　【ワシントン時事】８日行われた米中間選挙の開票結果の判明が遅れている。接戦のネバダ州では結果判明が週末にずれ込むと予想する声も出始めた。なぜ時間がかかっているのか。 　「集計が１２日までかかる可能性がある。選挙当日かそれ以前の消印のある郵便投票を集計しなければならない」。ネバダ州の著名ジャーナリストのジョン・ラルストン氏は米メディアで背景を解説した。 　開票作業の遅れの最大の原因は郵便投票の存在だ。郵便局による配達遅延や外国からの郵送の可能性もあり、多くの州で集計には数日かかるとされる。米報道各社は、接戦州ではこうした郵便投票の集計状況を精査するまで「当選確実」を打つのを見送っている。 　新型コロナウイルスの流行中に行われた２０２０年大統領選を機に郵便投票は急増した。当時もバイデン米大統領の勝利宣言まで４日を要したが、この流れが今後、定着するかもしれない。 　フロリダ大の集計によると、今回の中間選挙で米東部時間８日午後時点で１８年の前回を上回る２５００万人以上が郵便で投票した。しかし、郵便投票の用紙請求は５８００万人以上が行ったといわれ、今後も到着する可能性がある。 　さらに、南部ジョージア州では、上院選は候補者が過半数の票に達しない場合に決選投票を実施する。今回も１２月６日の決選投票にもつれ込んだ。上院の勢力図の判明は１２月に持ち越された。 　２０年大統領選で敗れたトランプ前大統領やその支持者らが選挙不正を主張し、集計作業に細心の注意が払われていることも理由の一つだ。各州の選挙運営責任者で構成する「全米州務長官協会」は声明で「全国の開票所で票を一つ一つ丹念に数えている」と強調する一方、「全ての票を集計するには数日、あるいは数週間かかる」と理解を求めている。　【時事通信社】 〔写真説明〕米中間選挙の郵便投票の用紙を準備する作業員＝４日、ロサンゼルス近郊（ＡＦＰ時事）