警察対応、徹底調査へ＝韓国雑踏事故

　【ソウル時事】韓国の尹熙根警察庁長官は１日、ソウル繁華街の梨泰院で起きた大規模雑踏事故に関して国会に報告し、事故前に危険を知らせる多数の通報があったにもかかわらず対応が不十分だったとして、「強力な監察調査に着手した」と述べた。警察・消防を所管する李祥敏行政安全相と呉世勲ソウル市長は「無限の責任がある」と謝罪した。 　尹氏は、事故当日の１０月２９日午後６時半すぎから、現場の危険性を知らせる１１２番通報（日本の１１０番に該当）が１１件あったと説明。「事故予防などの措置が至らなかった」と釈明した。今後、警察庁に特別組織を設け、真相究明を図る。 　韓国のＳＢＳテレビは３１日、地元の竜山警察署情報課の警察官が事故の数日前に「今回のハロウィーンで予想を超える人が集まり、事故が起きる懸念がある」との報告書を提出したが、警備計画に反映されなかったと報じた。尹氏は報告があったことを認めた上で、それを基準に２０１７～１９年より多い１３７人を動員したと反論した。 　ただ、２９日に、大規模集会が行われた政府庁舎がある光化門などに約４０００人を配置したと伝えられており、警備計画を決めた経緯も検証の対象になる見通しだ。　【時事通信社】 〔写真説明〕１日、ソウルで会見した韓国の尹熙根警察庁長官（ＡＦＰ時事） 〔写真説明〕１日、ソウルで、大規模雑踏事故の現場から回収され公開された遺留品（ＡＦＰ時事）