左派ルラ氏、接戦制し返り咲き＝ブラジル大統領選決選投票

　【サンパウロ時事】ブラジルで３０日、大統領選の決選投票が実施され、即日開票の結果、労働運動指導者出身で左派のルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ元大統領（７７）が、現職で軍人出身の右派ジャイル・ボルソナロ大統領（６７）を下して返り咲きを決めた。就任は来年１月１日で任期は４年。 　ただ、ボルソナロ氏はかねて「（同国が採用する）電子投票制度は信用できない」と主張しており、支持者らが敗北を受け入れず混乱が生じる可能性がある。 　中央選管に当たる高等選挙裁判所（ＴＳＥ）によると、開票率９９．３％でルラ氏は有効票の５０．８５％、ボルソナロ氏は４９．１５％を獲得した。事前の各社の世論調査では、ルラ氏が６ポイント前後ボルソナロ氏を上回っており、１０月２日の第１回投票に続いて「予想外」の僅差となった。 　前回２００３年から大統領を２期８年務めたルラ氏は、貧困層や労働者に対する手厚い保護を公約。歳出上限の撤廃を打ち出すなど「大きい政府」を志向するが、バラマキで財政を悪化させる懸念もある。国際的に消失への懸念が高まるアマゾン熱帯雨林については「伐採ゼロ」を訴えた。　【時事通信社】