目標達成でも２．８度上昇＝温室ガス削減「不十分」―国連環境計画

　【ロンドン時事】国連環境計画（ＵＮＥＰ）は２７日公表した報告書で、各国が設定した現行の温室効果ガスの削減目標を達成できても、今世紀中に世界の気温が２．８度上昇するとの試算を明らかにした。国連気候変動枠組み条約第２７回締約国会議（ＣＯＰ２７）を来月に控え、温暖化抑制に向けた取り組みは「極めて不十分」だと警告した。 　上昇幅を２．７度としていた昨年の試算から０．１度引き上げた。世界が化石燃料への依存から脱却した「低炭素経済」に移行するには、少なくとも年４兆～６兆ドル（約５９０兆～８８０兆円）の投資が必要になるとの見通しも示した。 　グテレス国連事務総長は声明で、各国の削減目標と実際の行動にギャップがあると指摘した上で「エジプトでのＣＯＰ２７を皮切りに、そのギャップを埋めなければならない」と訴えた。　【時事通信社】