英首相の演台、将来を象徴？＝交代ごとに製作

　【ロンドン時事】英首相は初めて首相官邸に入る時や辞任を発表する際に、官邸前で演説する。スナク新首相も２５日、バッキンガム宮殿で任命式を終えた後、就任演説に臨んだが、内容以外に注目を集めたのが「演台」だった。 　演台は首相が代わるたびに作り替えられている。価格は大きさや形で変わり、２０００～４０００ポンド（３４万～６８万円）。ジョンソン元首相の演台は褐色で、「演説中にたたいても耐えられるよう」（英紙）頑丈な作りだった。 　トラス前首相の演台は、脚の部分が木製のブロックをらせん状に積み上げた斬新なデザイン。この脚は、タワーが崩れないよう１本ずつ積み木を抜き取るゲームに例えられ、英紙ガーディアンは「突然の政権崩壊を見事に象徴している」と皮肉った。 　一方、スナク氏の演台は、脚が真っすぐでシンプルなデザインだ。トラス氏の経済失政で地に落ちた信頼回復を目指す誠実な思いを反映しているとも言えるが、英紙タイムズによると、前任者の突然の辞任から期間が短く、製作に約３週間かかるため、デザインする時間がなかったという。　【時事通信社】 〔写真説明〕（左から）ジョンソン、トラス、スナクの英首相各氏の演台（ＥＰＡ時事）