山下元参院議員に懲役２年求刑＝グリーン券詐取「７０回」―名古屋地裁

　現職の国会議員に成り済まし、東海道新幹線のグリーン券をだまし取ったなどとして、詐欺と有印私文書偽造・同行使の罪に問われた元参院議員山下八洲夫被告（８０）の第２回公判が２４日、名古屋地裁（森島聡裁判長）であり、検察側は「議員経験から得た知識を悪用した悪質な犯行だ」と述べ、懲役２年を求刑した。弁護側は執行猶予付き判決を求め、結審した。判決は１２月７日。 　山下被告は被告人質問で、２０１６年から６０～７０回、東海道新幹線のグリーン券などをだまし取ったと説明。同年から車内での切符確認が省略されたことがきっかけだったといい、「何となくやってしまった。甘えがあった。国民の皆さまに申し訳ない」と謝罪した。 　検察側は論告で「前代未聞で、国会議員に対する信頼を損ないかねない」と非難。弁護側は「稚拙で計画性がなく悪質とは言えない」と寛大な判決を求めた。 　起訴状によると、山下被告は今年３～４月、ＪＲ東京駅の窓口で有効期限が切れた国会議員用鉄道乗車証（無料パス）を駅員に示し、偽造した議員用申込書を提出。現職議員を装い、東京―名古屋間の新幹線特急券・グリーン券５枚をだまし取るなどし、計４万９２８０円の支払いを免れたとされる。　（了）【時事通信社】