「運航会社は誠意ある謝罪を」＝国の責任、追及求める―知床事故、乗客家族ら初会見

　北海道・知床半島沖で観光船「ＫＡＺＵ　I（カズワン）」が沈没した事故から半年となるのを前に、遺族と行方不明者家族が２０日、オンラインで記者会見を開き、運航会社「知床遊覧船」の桂田精一社長（５９）に対し、「誠意ある謝罪」を求め、指導監督する立場にあった国の責任も追及すべきだと訴えた。事故後、乗客家族が会見するのは初めて。 　会見では家族らの姿は映されず、名前なども明らかにされなかった。発言した家族は４人。２３日で事故から半年となるのに、桂田社長からいまだに直接謝罪や説明がないことについて「誠意がない」と憤りを見せ、「被害者と家族に誠意ある謝罪をし、生涯を懸けて償う覚悟を持ってほしい」と訴えた。 　国土交通省に対しては、「本来、その会社を監督しなければならない責任を忘れてはいけない」と指摘。「われわれのように悲しい思いをする人がこれから出ないよう祈っている」と再発防止を求めた。　 　事故は４月２３日に発生。これまでに乗客乗員２６人のうち、２０人の死亡が確認された。依然６人が行方不明となっており、家族は「残りの不明者全員が見つかるまで捜索を継続してほしい」と海上保安庁などに要望した。（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕観光船「ＫＡＺＵ　Ｉ（カズワン）」＝４月２３日（知床遊覧船ホームページより）