直接謝罪「一つの区切り」＝陸自性被害、同僚と対面

　元陸上自衛官の五ノ井里奈さん（２３）が在職中に同僚から性被害を受けた問題で、加害者の陸自隊員４人が１７日、五ノ井さんと面会して謝罪した。その後に記者会見した五ノ井さんは「涙を流し、土下座した人もいた。遅かったが直接謝罪があったことを一つの区切りにしたい」と話した。 　４人は陸自郡山駐屯地（福島県郡山市）で五ノ井さんと同じ部隊に所属。陸自が調査で認定した身体接触や性的発言などのセクハラ行為全てに関与した。うち３人は五ノ井さんを押し倒して下腹部を押しつけたなどとして強制わいせつ容疑で書類送検され、不起訴処分となったが、検察審査会の不当議決を受け、再捜査が進んでいる。 　五ノ井さんによると、４人とは個別に会って謝罪を受け、それぞれから「長い間、苦しい思いをさせ申し訳なかった」などと反省をつづった手紙も受け取った。内部調査などに行為を否定していたことについては「家族に隠したかった」「仲間をかばい口裏を合わせた」などと釈明したといい、再捜査では正直に証言すると約束したという。　 　会見で五ノ井さんは「自分を信じて活動し、やっと求めていた対面の謝罪が得られた。謝罪で許すものではないが、重く受け止めた気持ちは伝わった」と納得の表情。「４人は罪を償い、自衛隊は被害を防ぐ根本的な対策を」と要望した。（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕陸上自衛隊の性被害問題で、加害者の元同僚から対面で謝罪を受けた後、記者会見する元自衛官の五ノ井里奈さん＝１７日午後、東京都千代田区