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貿易協定超える枠組み構築=対中国「今後10年が決定的」―米政権


 【ワシントン時事】バイデン米政権は12日に発表した国家安全保障戦略で、最も重要な競争相手に位置付けた中国の脅威から国益を守る「経済安保」を確保すると強調した。関税引き下げで貿易を推進してきた伝統的な自由貿易協定(FTA)を「超える枠組み」の構築を表明。経済規模で米中逆転が迫る中、「今後10年が決定的」と訴えた。  「伝統的なFTAには戻れない」。サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)は12日の講演でこう明言した。米国が離脱表明した環太平洋連携協定(TPP)の代替として、サプライチェーン(供給網)やデジタル貿易などの現代的な課題に対応する経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」を、米主導で早期に実現させることが必要だと主張した。  米国はこれまで自由貿易を重視した通商政策を推進してきた。だがFTAを通じたグローバル化がもたらしたのは安価な外国製品の国内流入と雇用の国外流出。バイデン政権は米国で雇用が失われて経済格差が拡大し、さらに「貿易大国としての中国の台頭を許した」と結論付けた。  安保戦略では「競争、投資、連携」の観点から世界経済の脱中国依存を図る。中国の「不公正な貿易・労働慣行」に対抗措置を取るほか、ハイテク競争の主戦場である半導体分野で「国力の基盤を底上げする投資」に注力する。「民主主義の価値観を共有する連携枠組み」として、日米など14カ国が交渉に参加するIPEFの実現を最優先課題に据える構えだ。 【時事通信社】
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