来年の世界成長、２．７％に下げ＝「最悪期はこれから」―ＩＭＦ見通し

　【ワシントン時事】国際通貨基金（ＩＭＦ）は１１日公表した最新の世界経済見通しで、２０２３年の世界の成長率を２．７％と、７月の従来予想から０．２ポイント引き下げた。高インフレ対策で欧米が金融引き締めを続けており、米国と欧州、中国の３大経済圏が軒並み低迷すると見込んだ。２２年は３．２％と、従来予想を据え置いた。 　ＩＭＦのチーフエコノミスト、ピエール・オリビエ・グランシャ氏は「最悪期はこれからだ。多くの人にとって、来年は景気が後退しているように感じられるだろう」と警告した。 　ＩＭＦは、世界の経済規模の３分の１以上に相当する地域が２３年にかけ、少なくとも２四半期連続のマイナス成長に陥ると予想。石油価格や金利の国際的な上昇を背景に、２３年の世界成長率が２％を下回る可能性は約２５％あるという。 　日本の成長率は２３年を従来予想の１．７％から１．６％に小幅下方修正。物価高による消費の鈍化などを見越したが、２２年は１．７％に据え置いた。　【時事通信社】