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車での広域避難準備=「あすはわが身」と住民―台風19号から3年・宮城


 2019年10月の台風19号で浸水や土砂災害が相次いだ宮城県丸森町では死者・行方不明者(関連死含む)12人、建物被害は計1340棟に上った。その後も毎年のように降る大雨に危機感を抱いた舘矢間地区南木沼行政区の住民らは、車を使った近隣自治体への広域避難に自主的に備えている。  3年前の台風では、町内を流れる阿武隈川の水位が8メートル上昇。氾濫危険水位を超える23.44メートルまで到達し、町全域に避難勧告が出された。約380人が住む南木沼行政区の武田正成区長(73)によると、「堤防はよく耐えたが、あわやというところだった」。決壊は免れたがポンプ場の排水が追い付かず、自宅周辺が水浸しになった。  「次は決壊するかもしれない。あすはわが身だ」と危機感を強めた武田さん。1000年に1度の大雨を想定した防災マップによると、阿武隈川が決壊すれば舘矢間地区のほとんどが3メートル以上浸水し、2000人以上が避難対象となる。しかし、現在ある避難所では全員を収容しきれず、浸水の恐れがある所もある。  中山間地域の暮らしに欠かせない車が水没すると、「命が助かっても生活が再建できない」。そこで、近隣自治体への広域避難を探り始めた。  まず、住民アンケートを行って、運転できない人は他の住民の車に同乗して避難する仕組みを整えた。また、車で20分ほどで行ける山元町の工場を一時的な避難所として確保。海沿いで津波のリスクがある同町の自主防災組織と、災害時に広域避難を受け入れる相互協定を結んだ。  20年から年1回、車での避難訓練を始めたが、参加者は50人ほどで半数は同じ顔ぶれ。「ほとんどの住民は水は来ないと思っている」(武田さん)といい、危機意識の共有が課題だ。  丸森町の担当者は「避難の選択肢として有効だ」と今回の取り組みを後押しする。ただ雨が強まってからや夜間の避難は逆に危険だとして、「高齢者等避難が発令された段階で早めに動いてほしい」と呼び掛けている。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕阿武隈川が氾濫した際の想定浸水深を示す武田正成さん=9月22日、宮城県丸森町 〔写真説明〕水害に備えた車での広域避難訓練の様子=2020年10月14日(南木沼自主防災部提供)
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