ウクライナ侵攻に強いメッセージ＝ノーベル平和賞

　【ロンドン時事】ロシアによるウクライナ侵攻後初のノーベル平和賞が、両国の人権団体とベラルーシの人権活動家に贈られることになった。人道主義や法の原則の価値が今こそ求められていると訴えるノルウェー・ノーベル賞委員会からの強いメッセージが込められている。ベラルーシは侵攻でロシアを支持しており、委員会から直接的な批判の言葉は抑制されているものの、ウクライナ侵攻に強く的を絞った授賞と言える。 　ノーベル賞委員会は今回の授賞に際し「今年の受賞者は、今日の世界が最も必要としている国家間の平和と友愛というアルフレド・ノーベルの考えをよみがえらせた」と強調した。 　ノーベル平和賞の候補者は、１月末まで世界中から推薦を受け付け、それを基に作成されたリストから委員会が選定する。２月に始まったウクライナ侵攻に直接関与している人は対象外となるため、長年自国で人権活動に取り組んできたベラルーシのアレシ・ビャリャツキ氏と、ロシアおよびウクライナの２団体を選んだとみられる。 　特に、ウクライナの人権団体「市民自由センター（ＣＣＬ）」について、ノーベル賞委員会は「ロシアの侵攻後、ウクライナ市民に対するロシアの戦争犯罪を特定し、記録する取り組みに尽力してきた」と指摘。「こうした犯罪者に責任を負わせる先駆的な役割を担っている」と称賛し、今日的な意義を高く評価している。　【時事通信社】