五輪・パラ選手らにも謝罪＝ＫＡＤＯＫＡＷＡ社長、頭深々

　創業家出身の会長、角川歴彦被告（７９）が東京五輪・パラリンピックをめぐる汚職事件で起訴された出版大手ＫＡＤＯＫＡＷＡ。夏野剛社長は５日の記者会見で、同社関係者のみならず、「大会に出場したアスリート、ボランティア、観客の皆さんなど全ての関係者に深くおわび申し上げます」と述べ、深々と頭を下げた。 　一連の事件で贈賄側とされた企業として初めての会見は、東京都内で午後５時から始まり、約６０人の報道陣が詰め掛けた。　 　夏野社長は冒頭、同席した他の役員と共に、約１０秒にわたり頭を下げ陳謝。「経営陣と従業員が一丸となり、信頼回復に努める」と強調した。 　同日付で会長を辞任した角川被告について、夏野社長は、取締役として残ると表明。「会社だけでなく業界をリードしてきた偉大な功績のある経営者。判断能力は社員や会社が非常に頼りにしていた」とする一方、「事業領域が多岐にわたり、全てで伺いを立てる時間や余裕はない」とし、「ワンマン経営」との指摘を否定した。 　社内で違法性が指摘される中、大会組織委員会元理事の高橋治之容疑者（７８）側に資金が提供された背景について、「何らかの必然性を担当者らが感じたと推測する」と言及。角川被告の関与については「分からない」とした。（了）【時事通信社】