柔道整復師の国家試験漏えい容疑＝公益財団理事ら２人逮捕―警視庁

　柔道整復師の国家試験問題を漏えいしたとして、警視庁捜査２課は５日、柔道整復師法違反（守秘義務違反）の疑いで、公益財団法人「柔道整復研修試験財団」理事三橋裕之（６４）＝東京都北区西ケ原＝、同試験の試験委員黒田剛生（６２）＝葛飾区白鳥＝両容疑者を逮捕した。２人の認否は明らかにしていない。 　２人の逮捕容疑は２月、三橋容疑者が講師を務める柔道整復師の専門学校の教員のメールアドレスに、３月の国家試験数十問分の要点などを２回にわたって送り、問題を漏えいした疑い。 　同課によると、三橋容疑者が３０年来の知人で、問題作成担当者だった黒田容疑者に漏えいを依頼。三橋容疑者は入手した情報を専門学校側に伝えていたとみられる。 　同財団によると、試験後、別の専門学校から「問題文と疑われる資料が見つかった」と相談が寄せられ発覚した。同課は、両容疑者が複数の専門学校に問題を漏えいさせていたとみて詳しく調べている。　 　同財団は厚労省の指定試験機関で、問題の作成や採点を担う試験委員を柔道整復師などから選任する。 　柔道整復師は「接骨師」とも呼ばれ、マッサージなどで骨折や脱臼などの回復を促す。厚労省が免許を与える国家資格で、免許登録すると接骨院などを開業できる。 　国家試験は年１回実施され、専門学校などで３年以上学んだ人が受験できる。３月の試験は４３５９人が受験し、２７４０人が合格した。（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕三橋裕之　容疑者（公益社団法人「日本柔道整復師会」ホームページより）