「より良い制度検討のスタート」＝内密出産ガイドラインで大西熊本市長

　厚生労働省などが「内密出産」に関するガイドライン（指針）を公表したことを受け、慈恵病院の内密出産に協力している熊本市の大西一史市長は３０日に記者会見し、「ガイドラインが発出されたことがある意味でスタート。より良い制度として検討されていくことが重要と思う」と述べた。 　国の指針には、市が６月に国へ提案していた「妊娠葛藤相談所」や「身元情報管理機関」の設置は盛り込まれなかった。大西氏は「法整備が必要なものもあり、ガイドラインに位置付けるのは難しかったと思う」と評価。その上で、「まずは（指針の）内容を現実と照らし合わせて精査する。必要なことは、関係省庁へ要望を続けていくことになる」と述べた。 　指針は、医療機関が身元情報を明らかにして出産するよう妊婦を説得する際、行政機関の同席が望ましいとした。大西氏は「対応は可能。医療機関だけでは解決できない福祉支援などにつなげることができる。秘密は守るので信頼してほしい」と述べた。 　慈恵病院はガイドラインについて「精査中」としている。　（了）【時事通信社】